キャリアプランニングとは
仕事におけるキャリアプランニングを意識する
キャリア(Career)とは、日本語に直訳すると「経歴・履歴・生涯」という意味で、主に仕事をしていく上での経験やスキルアップのことを示します。
戦後復興期から日本に定着した企業運営の方法は、一人の人が就職をした場合定年までずっとその会社に勤務することを前提としたいわば「社内キャリア」を意識したやり方でした。
現在も公務員などがこの方法をとっていますが、入社したばかりのときは給与額や待遇がそれほどよくなくても、10年、20年と仕事をこなしていれば自然に給与が上がっていき昇進もできるというエスカレーター式の体系がとられていたのです。
ですが現在ではそうした終身雇用を前提とした会社運営をしている企業は少数派で、長年勤務をしていただけでは待遇が良くなっていくというわけではなくなっています。
同じ会社にずっと勤めるにしても、別の分野や企業に転職をするとしても、ただ漫然と勤務をしているだけでは周囲から評価されるようなスキルを身につけることはできません。
これからの就職においては自分の働き方や能力を自分で考えて築いていく「キャリアプランニング」が重要になってきます。
キャリアプランニングをするためには
キャリアプランニングは別名「キャリアデザイン」と呼ばれることもある長い将来に向けての自分の能力開発です。
わかりやすい例としては飲食調理や介護士のような資格は取得するために一定の条件が必要になるため、まずは未経験からでも仕事に携わり、数年の経験で業務の内容がひと通り理解できるようになる頃に受験要件を満たして試験を受け専門的な仕事ができるようになるといったことが挙げられます。
他にも税理士から会計士、看護師から認定看護師といったような上位資格がある仕事で働きながら勉強をしてステップアップをしていくということもできます。
人生は何があるか予想ができないものなので、学生時代に立てたキャリアプランニングがそのままうまくいくとは限りませんが、まずは将来的にはどういった方向で能力を伸ばしていきたいかということを考えてみることをおすすめします。
コツとしては今の自分の5年後、10年後の姿を理想として思い浮かべ、その地点に立てるようになるにはどういった努力が必要かということを逆算することです。
仕事だけでなく結婚や出産といったライフプランも一緒に考えておくと、できること、できないことの範囲がわかりやすくなってきます。
実際にやっても上手くいかないことの方が多いわけですから、思うように進んでいないと感じることがあったらその都度考えなおすといった方法をとってもよいのです。
まずは将来の自分を意識してそこから努力すべき方向を見定めていくことが第一歩です。
キャリアを意識することで対応力も高まる
キャリアプランニングをするというと、その会社をいつか出て行くことを前提として働くようで不誠実と感じる人もいるかもしれません。
ですがこの戦後数十年の間続いた終身雇用制のため、社内の巨大組織の中では通用できる人脈や能力があっても、社外に出たらほとんど仕事ができないという人材も多くいます。
ジョークとして大企業をリストラに合った管理職の人が別の企業の就職面接を受けたときに「あなたは何ができますか?」と聞かれて「部長ができます」と返したという話があります。
キャリアプランニングを意識せずに働くということは、その勤務している企業の動向という自分の力ではどうしようもないことに運命を任せてしまうことでもあるのです。
この先どう変化していくかわからない社会の中だからこそ、早い時期からのキャリアプランニングはより重要な意識となってきています。