社会福祉士
試験概要
社会福祉士は別名「ソーシャルワーカー」と呼ばれることもある、地域で生活する人のうち介護や支援を必要とする人の相談を受け対応策を提案していくという仕事です。
資格は国家資格となっており、他の「介護福祉士」と「精神保健福祉士」と合わせて「三大福祉士資格」としてまとめて扱うこともよくあります。
介護福祉士が実際に高齢者などを相手に介護職務を行っていくのに対し、社会福祉士は実際の介護業務を自ら行うことはなくそうしたサービスを提供する事業所に依頼をするという仕事を担当します。
ただし社会福祉士として行う業務は看護師や薬剤師のように免許がなければ特定の行為をしてはいけないという排他的性格を持つものではなく、無資格・未経験であっても採用元の方針次第で職務に就くことが可能です。
しかし「社会福祉士」と名乗って仕事をするためには資格取得が絶対条件となっており、採用の現場では資格があることを求人の条件としていることがほとんどなのでやはり事前に資格取得を目指すのが就職のための一般的なルートとなります。
試験日程・学習方法
社会福祉士の資格試験は厚生労働省の管轄により年に1回開催されています。
試験は例年1月下旬頃に開催されており、筆記試験により19科目から出題される範囲の問題を解いていきます。
受験をするためには事前に要件を満たしていなくてはならず、福祉系の4年生大学を卒業するか、もしくは社会福祉士指定養成機関がある学校で必要な課程を修了しなくてはいけません。
複数のルートがあるので受験をする前に自分がそれに当てはまっているかきちんとチェックをしておいた方がよいでしょう。
合格のためには出題される問題をマークシート式の回答により60%以上得点することが条件になります。
合格率は毎年30%をやや下回るくらいの割合となっているので、かなりしっかり勉強をしておかないと1発で合格することはできません。
資格取得で有利になる職種
社会福祉士の資格取得後には主に介護・福祉を行う施設に勤務をすることができるようになります。
最も就職人数が多いのが老人ホームや障害者施設などの介護福祉のための施設や事業所で、公的施設や民間んの私立施設の中から希望にあったものを探して求人に応募していきます。
そうした介護福祉の施設に勤務をする場合には、これから支援やサービスを受けたいとして訪れる人の相談に乗り、自分たちの施設だけでなく他に介護保険が適用されるサービス施設を紹介していったりします。
介護や福祉の現場以外にも医療や看護の現場でも社会福祉士は多く活躍しています。
病院や保健所などで、病気や健康上の不安がある人のために在宅でも受けることができる介護サービスやリハビリのための方法を提案していきます。
より専門性を高めていくことで、独立した社会福祉士として活躍していくこともできます。
それまでの経験を生かして独自に個別相談を受け付けるソーシャルワーカーとして事務所を作ったり、成年後見制度など法律知識の必要になる高齢者支援も行っていきます。
また一歩進んで介護や支援を必要とする人ではなく、これから介護福祉の事業を立ちあげたいと考える人へのコンサルティングを行うような社会福祉士さんも中には見られます。